DJテントン オフィシャルサイト
♪ 綿毛の詩
穏やかな一日が 終わろうとしている
照明は 窓からの光だけ
とても 静かだ ・・・
ビリージョエルを 選び
フェニックスの横に 腰を下ろす
挽き立てのモカブレンドを ひとくち含み
♪ ストレンジャーの イントロと一緒に 流し込む
瞳を閉じて
昼下がりの多摩湖を 想い浮かべる
優しい陽の光に守られて
ボクは 土手の草むらで まどろんでいた
やがて 小鳥達の話し声に混じって
綿毛夫妻の会話が 聴こえてきた
綿毛の夫 「 子供たちの準備は どうだい? 」
綿毛の妻 『 あとは 東の風を 待つだけだわ 』
綿毛の夫 「 そうか・・・ ・・・早かったな・・・ 」
綿毛の妻 『 あっ、 あなた・・・ 東からの風よ・・・
綿毛の男の子たち 「 お父さ~ん ・・・ 行ってきま~す! 」
綿毛の女の子たち 『 お母さ~ん ・・・ お元気で~♪ 』
ボクは 首をもたげて 声のする方を見る
湖面からの照り返しで 辺りは キラメク光の世界だ
綿毛の妻 『 あなた ・・・ あの子たちが ・・・ 』
綿毛の夫 「 しっかり見てあげなさい、 あの子たちの旅立ちだ ・・・ 」
光の乱反射の中に 白い綿毛たちの勇姿が 飛びこんで来た
見れば 土手一面の綿毛たちが いっせいに 青空を目指して飛び始めた
薫風 香る空は どこまでも青い
綿毛たちの旅立ちには ピッタリだ
綿毛の妻 『 あなた ・・・ みんな 行ってしまったわ ・・・ 』
綿毛の夫 「 何を言っているんだ、 初めも お前と二人だったじゃないか ・・・ 」
綿毛の妻 『 また あなたと二人ですネ ・・・ 』
綿毛の夫 「 でも 僕たちには かけがえのない想い出ができた ・・・ 」
新天地を求めて 広い青空に飛びだした 綿毛の子供たち ・・・
綿毛夫妻は いつまでも 果てしない大空を見上げていた ・・・
曲は いつしか ♪ オネスティ に変わっていた
ふと 肩をみると ひとりの綿毛の女の子が ・・・
ボクは 庭に出て ウチで一番 陽当たりの良い場所へ
カノジョを 降ろした
「 ここが キミの新天地だよ ・・・ いいかい? 」
カノジョは うなずくと すぅ~ と 土の中に消えて行った
ボクは 今 ギターを抱えている
何を 弾きたいワケでもないのに
ギターを 抱えて フェニックスの下に 座っている
これが ボクのスタイルだ
ボクは ギターを 抱えたまま
飲み忘れたモカブレンドを 口に運んだ ・・・
明り取りの窓から見える
おぼろげな月を 眺めながら ・・・
DJテントン 「フローズンカクテル」
♪ 綿毛の詩 (わたげのうた)
《 DJテントンの出典情報 》
※ ストレンジャー
ビリージョエルが1977年にリリースした5作目のアルバム「The Stranger]に収録されています
アルバムは1000万枚を売り上げ、サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」を抜いて
当時のコロンビアレコードで一番売れたレコードになりました
ストレンジャーは、イントロの口笛が、とても印象的な曲です