DJテントン オフィシャルサイト
♪ ホールド・オン
冬の匂いに誘われて、懐かしいカセットを聴いてみた
カセットテープにには、20年前の 12月の日付・・・
カノジョと暮らして、2回目の X'mas がそこまで来ていた・・・
そんな20年前の日付だった・・・
別離の時、どうして ああも 物分りが良くなってしまうのだろう・・・
お互いの気持ちは、どうしようもないところまで乱れているのに
カレも、カノジョも、何事もなかったように冷たく、事務的に、
ただ時を進めてゆく・・・
「 時間が 止まればいい... 」
「 ずっと一緒にいたい... 」
恋の初め、一度は カレの胸で つぶやく嘆きだ
カノジョの髪を 優しくといてあげるカレのまなざしは、もうどこにもない
カレの眼は怯え、整然と荷作りをするカノジョを
次々とコマの変わるスライド写真を眺めるように
じっと目で追っている・・・
...なかば呆然として...
♪ せかさないでおくれ
最後の瞬間まで 君を引き留めていたいんだ
考え直してよ
何もそう 焦ること ないじゃないか...
今までの恋みたいに
簡単に別れるなんて 僕にはできないよ
だけど... どうしても別れる!って言うなら
もう少しだけ...
...もう少しだけ傍にいてよ
(...瞳を閉じて...想い出を...追ってみる)
" どうして こうなっちゃったんだろう... "
君なしでは、生きていけないのに...
なのに・・・二人の想い出も、この切なさも、
いつかは忘れちゃうのかなぁ...
行かないで!
君以外の人なんて 考えられないよ...
...君なしの人生なんて...、 そんなのムリだよ...
ねえ、初めから やり直そうよ...
だから・・・行かないで!
こんなに愛してくれたのは、
僕には、君だけだったんだよ... ♪
2年間の想い出が
女々しくも、頭の中でメリーゴーランドしている
ケンカした日も... 何もかも...
泣き顔も、笑い顔も、シャッフルされて
想い出が キラキラと輝いている
《 彼の心の中で 葛藤は終わった 》
カノジョが、最後のコーヒーを入れて振り向いた
イヴにプレゼントした
品のいい紅いシャネルのルージュが
キュっと微笑んだ
第三者として見つめていたボクの心が
カレとひとつになった
「 行くなよ! 」
瞳を見つめた、簡単なセンテンスだった
「 うん 」
カノジョももあっさりと答えた
...安易な結末だった...
《 それから1年 》
ボクたちは、もう一度 別れることになった
「 あの日...覚えてる...? 」
カノジョが懐かしそうに言った
「 去年のあなた、子供の様な目で " 行くなよ! " ですって
あの時は あなたに魔法をかけられたわ 」
表参道は、みぞれに変わっていた
歩道橋の上
二人におかまいなしに傘をぶつけながら人がすれ違う
風に乗って
時折 キディーランドのバナナ放送が聴こえて来る
「 行くなよ! 」
ボクはもう一度、カノジョを引き留めてみた
ワンレンの髪を左右に揺らして、カノジョは微笑んだ
「 魔法は消えたわ... あなたのジョーク、今でも 好きよ 」
みぞれのせいか
カノジョの笑い顔が 少し歪んだ
別れは
あまりにもアッサリと その幕を閉じた
バナナ放送は、サンタナの曲を紹介していた
♪ わかったよ!
君を想い出にするよ
今の気持ちも 何もかも
全て忘れたくないから
移ろいやすい時の中で
君が消えてしまうのが 嫌だから
でも... 行かないで!
君以上の人なんて いるもんか
やり直すから...
君がいないと 生きていけない...
だから... 行かないで! ♪
BGM ♪ ホールド・オン (サンタナ)
DJテントン「フローズンカクテル」
♪ ホールド オン
《 DJテントンの出典情報 》
※ Hold On (ホールド・オン)
1982年1月8日にリリースされた
サンタナのアルバム「Shango」の
2曲目に入っている曲です。
※ この日本語訳は、
DJテントンのフローズンカクテルに合わせて
都合よく私テントンが書きました(笑)
※ サンタナ「Shango」のジャケットです